「朝の準備をするのが遅い。」
「朝ごはんを食べ終わるまでに時間がかかる。」
「家を出ることがギリギリ。」
「学校に遅刻してしまう。」
こういった朝を苦手とする子は多い。
しかも寒い今の時期なら尚更だ。
大人だって、寒い朝は布団から出たくないし、
月曜日の朝なんて気持ちがどんよりしてしまう。
大人だってそうなのだから、子どもなら尚更だろう。
僕が担当する子にもそういった子がいる。
また、こんな悩みを持つ親は多いのではないだろうか。
皆さんならどうするだろう。
特別支援の立場から言えば、まずはその背景要因を探り、その要因によって対応が異なるのだが、家庭でもできる支援をいくつか紹介したい。解決の助けになるかは子どもそれぞれだが、色々と試していくことが大切だと思う。
○環境の調整
大人でもそうだが、子どもも先のことやすべきことが分かると、
安心したりやる気が出たりする。
様々なことに興味がいき、今やることややりたくないことが後回しになることは子どもにとって顕著なことだろう。
なので、まずは刺激を調整したり、視覚的な支援をしていくことが効果的だ。
学校現場でも教室の掲示など工夫している先生も多い。
刺激の調整について言えば、起きてから家を出るまでの動線を考えたり、
テレビをつけないなどの環境を作ったりすることからやってみることがよい。
ご飯を食べる時に子供の視界に何が入っているかなどを子どもの目線で考えてみるとなにか発見があるかもしれない。
○見通しをもたせる
他に家庭でもできる視覚的な支援として、やることリストを示したり、予定表を作成したりすることがある。
頭の中だけでなく視覚的に示すことで分かりやすさが倍増する。
朝何時に起きて、どんなことをするか、そして、何時に家を出るかを示しておくとよい。
いつも目につくところなどに掲示しておくと常に意識して行動ができる。
紙で張っておいてもよいし、ホワイトボードをつかってもよいだろう。100均のグッズが結構使える。ネットで調べてみると、様々なものがでてくるので参考にできる。
また、終わったら、磁石をつける、表示をひっくり返すなどやる前とやった後がわかるものだとより視覚的にわかりやすい。
↑発達障害の子の支援や視覚支援について書かれています。予定表についても載っています。
↑ 様々な資格支援のカードや教材がのっている。データも付いているので、そのまま印刷して使用可能。
○がんばりカード
がんばりカードは言い方は悪いがご褒美で釣ることに似ている。
しかし、やり方次第で効果はてきめんだ。
特に小学校低学年あたりまでの子には有効。
簡単に説明すると、がんばった成果を可視化していき、最終的にご褒美をあげることをする。
例えば「7時45分までに家を出る」という目標を設定し、
一ヶ月、または30日できたらほしいマンガを一冊買ってあげるなどご褒美を一緒に考える。
大切なのは、意欲が続くように目標を設定することだ。
あまりに難しい目標を考えたり、目標達成までの期間を長くしたりしないことだ。
でないと、途中で挫折し、飽きてしまう。
がんばりカードはやる気を引き出したり、習慣化を促したりするための手段なので、
目標とすることができなかったら意味がない。
また、子どもと親とでしっかり契約(誓約書を書くなど)を交わし、親は途中途中のがんばりを褒めたり、子と約束したことを守ったりすることが必須だ。
こまめにがんばりカードを振り返り、子どものがんばりをを褒めることで、
がんばる→褒められるのよいサイクルができてくる。
↑「がんばりカード」とネット検索するといろいろなものが出てくる。やり方も形式も多様なので用途にあったものを使用するのがよい。
以上、3つ家庭でもできそうなことを紹介した。学校に遅刻してしまう子以外にももちろん有効なので、参考にしていただけたら幸いだ。