先日のニュース記事で、自閉症やADHDといった発達障害をもつ子どもが増えているという記事を見た。
【速報】ADHDや学習障害、自閉症の子どもが過去最多 文科省調査(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュースnews.yahoo.co.jp
現場で働く一人としての体感は、記事同様、増えているという印象だ。
だいたい子どもの中の6%程度いると言われる発達障害をもつ子。6%というと、30人のクラスで2人程度いる計算だが。
実際は、もっといるのではないだろうか。
数が増えいてる理由はさまざまなあるだろう。
記事にもあるように、「学習障害への理解が深まった」「特別支援を希望する人が増えた」ということがあるだろう。
また、合理的な配慮をすれば、通常の学級でも通えるということも考えられる。
保護者の中には、まだまだ特別支援を敬遠する方もいるが、相談や見学に来る方が増えている印象がある。
数の増加に対する対策として、文科省はインクルーシブ教育や看護職員の拡充のための予算を増額としているのが、現場としてはその恩恵はいつ受けるのだろうかといった感じだ。
発達障害をもつ子の増加がもたらす、今後の学校現場への影響はどんなものがあるだろう。
個人的な予想としては、3つのフェーズが起こる、もしくは、すでに起こっていると思う。
①教員への負担増加
②さらなる教員不足
③教員の質的低下
教員への負担増加
発達障害をもつ子や医療ケアを必要とする子が増えれば、その分だけ指導や支援の仕方を考えていかなければいけない。
そのことは子にあった指導支援をしていく上でとても大切なことである一方で、教員への負担は増える。特に30〜40人を見ている学級担任への負担は増える。
どの子にもその子にあった支援をしたいと考えるのがほとんどの教員だが、人間には限度がある。
さらなる教員不足
産休等の代替教員ですら、現状は見つからないくらいの教員不足が起っている。
ましてや教員に対する負担の増加で体調を壊してしまう人も少なくない。
さらに言えば、特別支援に関係する教員も削減傾向にあったり、学校にサポーターに入る人の数も限られつつあったりする。
予算が削られている印象だ。
教員の質的低下
教員になりたいと考える人も減っているのが近年の現状だ。
各都道府県の採用状況を見れば一目瞭然で、定員割れということもある。
教員の労働環境の改善を求める動きもある一方で、教員として働ける人の条件が緩和されようとしている。
最近では、特別免許状の活用も文科省から通知されている。
一時的に教員不足は緩和されるかもしれないが、質的には低下が免れることはできないだろう。
まして、発達障害をもつ児童への対応は経験や専門的な知識がある程度必要だと思う。
不祥事や病休などとなったら、他の教員への負担が増えるのみになってしまう。
忙しいというのはどの仕事も同じかもしれないが、
少なくとも労働環境など教員という職業をもっと魅力的にしていくことが遠回りのようで近道のように感じる。