我が子の子育てをしていると、
職業柄、特別支援的に子どもの様子を観察してしまうことが多々あります。
職業あるあるだと思いますが…。
今回は、その中の「眼」について書きたいと思います。
特別支援教員は、子どものどこに着目しているのか、
子育ての参考にしていただけたらと思います。
もちろん、私自身も子育て初体験中ですので、
「こうした方がいい」などとは言えません。
一つの視点として、参考になればと思います。
目次
「見える」とは
何かが見えるという一つの行為をとっても、
単に視力検査で測るような力だけを使っているわけではありません。
①まずは、外部の情報をいわゆる視覚という感覚器官から取り込む。
②つぎに、取り込んだ情報を自分の経験や知識から理解する。
③そして、その情報の意味や他との関連性などを構成する。
といった、力が必要になってきます。
なので、「視力がある人なら、当たり前に見えるでしょ」
とは簡単には言えません。
どうして大切か
学習(遊び)場面で考えみましょう。
キャラクターの絵を写し書きしている場面を考えてみると、
ここでも、様々な力が必要になってくることが分かります。
①まずは、お手本の絵を見る。(入力)
②つぎに、「口はこんな形だな」、「鼻と口はこの位置だな」など、頭で考えます。(情報処理)
③そして、見た情報をペンを持った手を動かして、他の紙に書きます。(出力)
このように、一つの学習場面を考えても、いくつもの要素が必要になってくることが分かります。
専門的に言えば、「眼球運動」「視空間認知」「眼と手の協応」といった要素が「見る力」には必要になってきます。
では、どうして「見る力」が大切かというと、
上記の例では絵を書くことを取り上げましたが、
学校で言えば、板書を自分のノートに書き写すことなどの学習場面や、
体を動かすなど運動場面で必要になってくる力だからです。
また、生活場面でも、相手の方を見るや集中して対象を見るといったことが必要になってきます。
ADHDやASDなど発達障害と診断されている子の多くは見る力についても課題が見られることが多いです。
視線が合わない、見ているようで見えていないなどといったこともあります。
学習についても、見た文字を音声にして出力(デコーディング)や、
単語のまとまりを認識できない、
文字の読み飛ばしがあるなどの課題が見られることがあります。
子どもの眼の動きをみてみよう。
定期検診で、お医者さんも乳幼児の眼球の動きを見てくれると思いますが、
家でも自分の子の眼の動きを確認することはできます。
例えば、
(1)子どもの前で、ものを動かし、しっかり眼球を動かしものの動きを追うことができているかを確認することができます。
上手に動きを追うことができない子は、顔が動きます。(追従性眼球運動)
(2)子どもの前で、2つのものを交互に出して、出したものを見ることができているかを確認する。(衝動性眼球運動)
(3)左右の目を寄せなり離したりする動きはできるか。(輻輳・開散運動)
(4)ボール投げや転がしで、キャッチできるか。(眼と手の協応)
こういった見る力は、継続的にトレーニング(ビジョントレーニング)を行うことで、
少しずつ改善が見られます。
ご家庭でも試してみてください。
↑本記事でも参考にしています。分かりやすくておすすめです。