今回は、子ども食堂の可能性について書きたいと思う。
「子ども食堂ってそもそもなに?」
「子どもとの朝のドタバタをなくしたい」
といった読者にはとくに読んでいただけたらと思う。
子ども食堂とは
町の掲示板や飲食店に「○月○日、○時から子ども食堂やります」といった張り紙を見たことのある人も多いのではないか。
今では、全国各地、様々な地域で子ども食堂の活動が行われているように思う。
まずは子ども食堂とはどんな活動なのか紹介したいと思う。
- 子どもが一人でも行ける。
- 子どもは無料もしくは低価格で温かいごはんが食べられる。
- 毎日開催しているところから、月1回など開催期間は様々。
- 主に地域のボランティアの人が行っている。
- 提供されるものは、地域の食材やフードバンクからの寄付。
といったところが子ども食堂の活動の特徴だ。
子ども食堂の目的も様々なようだ。
現在の日本でも子どもの7人に一人は貧困に陥ってしまっていると言われ、
そういったご飯もまともにない子ども、
または毎日一人でご飯を食べたりコンビニで買っていたりする子ども。
さらには食育や地域の交流の場としてすべての子どもを対象としている。
詳しくは、子ども食堂ネットワークといったホームページもあるので調べてみてほしい。
朝が苦手な子
地域によっては、朝の時間に子ども食堂を開催しているところがある。
学校現場で働いていると、時間がなくてご飯を食べていない、
親が仕事に行ってしまってしっかり食べていないなどといった子もいることがある。
以前も、ブログで書いたが朝を苦手とする子も多い。
色々は子どもたちの実情はあるが、朝、子ども食堂を利用して学校へ行くという発想をしてみることもありだ。
朝、家での出来事を家の中で解決していくだけでなく、発想の転換をしてみると意外に楽なこともある。
利点の一つ目として、朝から外食気分で楽しく一日を始めることができる。
家を出るきっかけになる。
二つ目に、朝ごはんをしっかり食べることができる。
食事の内容は場所によって異なると思うが、朝ごはんを食べない、冷たい食パン一枚といった事態は少なくとも避けることができる。
三つ目に、学校に遅れない。家から出ているので、ご飯を食べ終えたら学校へ向かえばよい。周りの目もあるし、家での他の誘惑がない。
利点ばかりしかないのではないか。
子ども食堂の可能性
朝ごはんという点で、子ども食堂と学校で連携をしていくということは食育の観点からも良いのではないかと考えている。
さらに、子ども食堂は子どもに食事を提供する場以外にも可能性を秘めている。
つまりは、上述のように地域社会の交流の場としても機能する。
貧困問題に詳しい湯浅誠さんによると、
子ども食堂の特徴として、「解放性」「弱目的性」としてる。
子どもだけに限らず、
保護者や地域の人などに開かれていて誰もが参加することができる。
また、なにか共通の目的を持つ場ではなく、
目的性がないため敷居が低いということが特徴だろう。
来るもの拒まず、去るもの追わずという感じだ。
『縁食論』の著者藤原辰史さんも、
縁食(家族以外の人と飲んだり食べたり笑ったりしながら意見や情報アイディアを交換したりくつろいだりできる行為)の場として、子ども食堂の可能性を述べている。
人がものを食べる空間というのは、「ただ食べる場所ではなく食べると言う行為が本来持っていた多様な可能性多様な出会いが生まれる空間」だとしている。
食というのは、人を集め、交流する場となる。
換言すれば、食べるということだけが目的ではない。
そして、孤食でも共食でもない中間的な食事と場として、ゆるやかなつながりを子ども食堂は提供することができる。
コロナ禍が続く中で、多様な人との交流、ましてや食事をすることは難しい現状なのがもどかしいが、その中でも開催している子ども食堂も多い。
自分の住んでいる地域のこども食堂を探してみる、開催してみるということもいいかもしれない。