特別支援教員パパの子育てブログ

特別支援の教員をしています。2歳男児のパパです。

映画『夢みる小学校』をみた。

映画『夢みる小学校』をみた。

 

主に「きのくに子どもの村学園」の日々の様子を記録したドキュメンタリー作品だ。

 

きのくに子どもの村学園は教育に興味を持っている人なら一度は耳にしたことがある学校ではないかと思う。

 

斬新な実践をしている学校の一つとして、僕も学生時代に知った。

本記事では、『夢みる学校』をみた感想というか感じたことを書きたいと思う。

 

「夢みる学校をみてみたい」

(作品のネタバレにはならないが、みる視点は与えてしまうかもしれない。)

 

「学校教育に興味のある」

 

といった人には参考にしていただけたら幸いだ。

 

joji.uplink.co.jp

 

目次

 

子どもファーストな学校の源流

映画に出てくるきのくに子どもの村学園、伊那小学校、他には堀川小学校、最近で言えば、風越学園、大日向小学校なども挙げられるだろう。

全国各地には公立学校でも先進的な教育を行っている学校がいくつかある。

 

それぞれの学校に少しずつ特徴があると思うが、

源流は19世紀後半に起こった新教育運動の流れを思想的な背景にしているものが多い。

 

欧米各国の新教育運動や日本でも大正自由教育運動として、

子どもファーストな教育活動が勃興した。

 

そして、僕自身、教育哲学や教育思想に興味をもったきっかけも新教育運動であった。

 

とりわけ、新教育の思想に影響を与えたり、実践を行ったりした、ジョン・デューイに学ぶことが多かった。

 

ジョン・デューイについて語ると、映画のことについて綴るまで時間がかかってしまうのでここでは割愛する。

 

 

新教育運動は簡単に言えば、教師中心、知識偏重といった教育を批判し、
ここで言う子どもファーストの教育を目指した運動だ。

 

きのくに子どもの村の学園長、堀真一郎さんもイギリスの教育実践家、J.S.ニイルの思想の研究者だ。

 

ニイルの思想もデューイの思想と共通する部分が多い。

 

学校は楽しい場所

映画の紹介文でもそうだが、

映画の中で南アルプスきのくに子どもの村学園の校長、

カトちゃんも「学校は楽しい場所じゃないといけない。」と話していた。

 

校則をなくしていったという世田谷区立桜丘中学校もそうだが、

ルールで縛られたり、実生活と学校の乖離があったりすると学校は楽しくない。

 

デューイも『学校と社会』の中で、子どもの興味関心が学校と生活とで途切れてしまっていることを問題視していた。

 

そしてまた、安心できる場所であるということが今まで以上に学校に求められているように感じる。

 

ほんとうの自分を出せる場所であり温かい優しさを感じれる場所が子どもたちに必要だ。

 

今や家庭でも安心感を感じれられない子も多い。

 

もっと言えば、家庭でほんとうの自分を出せず、学校で悪い形で発散する子もいることもある。

 

”楽しい場所であること”

 

教科の学習よりも子どもの時期には必要なのかもしれない。

 

多くの人がもっている教育観を変える必要があると思う。

 

答えよりも問いを

映画の中で、文化人類学者の辻信一さんも言っていたが、

きのくに子どもの村学園は答えを見つけるより問いを探すことを大切にしている。

 

世の中は問いで溢れている。

 

しかし、世の中のことを問いとして言葉にすることは難しい。

 

言ってしまえば、問いを見つけることは答えを見つけることより難しい。

 

このことは哲学と似ている。

 

哲学はどのように問いを立てるかを考える学問だと思う。

 

歴史上、多くの哲学者が問いを立てるために人生をかけてきたし、哲学を発展させてきた。

 

そして、世界を自分の言葉で分節化していく過程がとても重要だ。

 

そのためには本質を理解していないといけないし、様々な力が必要だ。

 

子どもたちの体験は問いを考えるきっかけになる。

 

純粋で無垢な子どもの方が、大人よりも世界を鋭くみていることも多いように思う。

 

 

 

ということで、

ぜひ、『夢みる学校』をみてほしい。

 

僕は、映画をみていて、発達障害と診断を受け、学校に馴染めずきのくに子どもの村学園に転校してきた子が卒業式で立派にスピーチをしている場面で涙腺が緩んでしまった…。

 

 

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